有田焼「磁州窯」の買取価格はいくら?査定相場・値段

有田焼 磁州窯 の買取相場

有田焼の銘のひとつとして見かける「磁州窯(じしゅうよう)」。その名前から中国の古窯を連想される方も多いかもしれません。

本記事では、この「有田焼 磁州窯」とは何を意味するのか、その背景や価値、鑑定のポイントをわかりやすく解説いたします。

現代の美術陶磁としての位置づけや市場相場にも触れながら、買取や査定をご検討中の方にも有益な情報をお届けします。

目次

有田焼(磁州窯)の相場解説

有田焼「磁州窯」

有田焼の“磁州窯”という表現は、もともと中国・宋代の名窯『磁州窯(じしゅうよう)』の技法や意匠に倣って、有田で製作された作品やシリーズに用いられることがあります。

つまり、古陶の風合いや装飾を現代の有田焼に取り入れた、いわば写しや再解釈の一種として位置づけられる場合が多意でしょう。

器種(例)相場目安(目安幅)
小〜中の盃・猪口・湯呑など数千円〜数万円程度
中型の鉢・皿数万円前後
装飾性の強い作品(彫刻・細密文様など)数万円〜十万円前後

有田焼(磁州窯)の相場補足

オークションやネットマーケットで「有田焼 磁州窯」の銘がついた小物器(お猪口・ぐい呑・小鉢など)が、数千円~1万円前後で出品されている例が見られます。

ただしそれらが本当に古作・名工作か、新しい製作・量産品かによって価格差は大きくなります。「有田焼」の一般的な高額作家作品の相場帯としては、4,800円〜2,400,000円あたりの幅が紹介されている例もあります。

より高価なものは、保存状態、銘の信憑性(共箱や在銘か否か)、意匠の優雅さなどの要素で大きく価値が変動します。

「有田焼 磁州窯」を銘とする作品は、あまり高値域が定まっているとは言いにくく、まずは個別に状態・作意・背景を見て判断する必要があります。

有田焼 磁州窯 の鑑定ポイント

有田焼と「磁州窯」の組み合わせで扱われる場合、次のようなポイントを押さえて鑑定するとよいでしょう。

銘・箱書き・在銘かどうか

磁州窯と署名があるか、共箱・書付があるかは重要な手がかりです。しかし、近年の製作・模倣品にも銘を書いたものがありますので、銘を単独で鵜呑みにせず他の要素と合わせて判断します。

胎土・釉薬・作りの質

  • 胎土の質感(滑らかさ・緻密さ・焼成痕)
  • 釉薬の掛かり具合、釉ムラ・自然な流れかどうか
  • 器形の整合性、厚薄の均一性
    これらが粗い・不自然な部分が多い場合、量産品・後補作品の可能性が高くなります。

施文様・装飾の技巧

彫り・掻落といった技法や絵付けがあれば、その緻密さ・線質・余白の扱いを見ます。装飾が粗ければ価値は下がる傾向があります。

釉裏・底部の処理

底の高台、無釉部、釉の裏返り、焼成痕なども鑑定材料になります。高級品ほど底処理が丁寧になる傾向があります。

状態・補修の有無

ヒビ、カケ、貫入、染み、補修跡などがあると価値は大きく下がります。特に目立つ補修は価格を大きく制限します。

作品の由来・資料性

もし展示歴・入手経緯・作家資料の裏付けがあれば、それが価格に大きく影響します。

「磁州窯」と「有田焼」の関係・歴史的背景

まず「磁州窯(じしゅうよう、Cizhou ware)」は、中国河北省磁県(旧称「磁州」)一帯に由来する、宋〜元〜明〜清を通じて続いた代表的な民窯(民衆用陶磁器の窯)です。
磁州窯は主に日用品用の白磁・黒釉・彫刻・掻落文様などを特徴とし、長い歴史を持つ窯です。

一方、有田焼は日本・佐賀県有田で発展した磁器(日本磁器)の流れであり、17世紀初期から本格的に製造・輸出が始まりました。

したがって、歴史的には「磁州窯=中国古窯」の系譜であり、有田焼とは起源も地域も異なります。しかし、以下のようなケースで「有田焼 磁州窯」の表記が見られることがあります。

  • 有田焼のシリーズ名・銘として「磁州窯」と銘打って製作された現代作品
  • 中国の磁州窯を意識した意匠・写し作品を「有田風」に制作したもの
  • 販売用目的で「有田焼」のブランド力を活かすため、銘に「磁州窯」を併記したもの

そのため、「有田焼 磁州窯」が真に古い・価値ある作品か否かは、上記の鑑定ポイントや文献裏付けを併用して慎重に判断する必要があります。

また、有田焼の中で高価・高評価を得られやすい作家作品(例:酒井田柿右衛門、今泉今右衛門、井上萬二など)は、それらと比して銘の信頼性・装飾性・作家性が強くない「磁州窯」銘作品は相対的に価格が抑えられる傾向があります。

買取・査定にあたってのアドバイス

もし「有田焼 磁州窯」の作品をお持ちで、査定・買取を検討されるなら、以下の流れ・注意点をご参考ください。

  1. 複数の専門店で見積もりを取る
    • 特に陶磁器・骨董品を扱う信頼ある買取店に査定依頼することをおすすめします。
  2. 作品情報をできるだけ揃える
    • 銘・箱書き・来歴・写真(正面・裏・高台・細部)などを揃えて見せると、査定精度が上がります。
  3. 状態を明示する
    • ヒビ・カケ・補修跡などがある場合は正直に伝えたほうが信頼感が出ます。
  4. 販売ルートを持つ専門業者を選ぶ
    • 流通力・販路を持っている所ほど高め査定になりやすいです。
  5. 売却タイミングやキャンペーンを活用
    • 買取店によっては時期やキャンペーンで査定アップの可能性があります。

有田焼 磁州窯のよくある質問

有田焼 磁州窯とは何ですか?

「磁州窯」は中国河北省磁県一帯の古窯を指す名称ですが、日本の有田焼の作品に「磁州窯」と銘打たれるものもあります。その場合、中国磁州窯を意識した意匠か、模倣系作品である可能性が高いです。

有田焼 磁州窯の作品は高く売れますか?

売れますが、高額となるケースは限定されます。銘・作意・状態・装飾性・来歴などが良い条件を満たしていれば、数万円〜十万円前後の値がつくこともあります。ただし量産品・新作的なものだと数千円レベルになることも多いです。

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この記事を書いた人

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