自宅に眠っている陶磁器や、譲り受けた茶碗・皿などを「少しでも高く売りたい」と思っていませんか？
しかし、陶磁器は作家や産地、保存状態によって価値が大きく異なるため、
何も知らずに査定に出してしまうと、本来の価値より安く手放してしまうこともあります。
本記事では、陶磁器を高く売るための正しい知識と実践的なコツをわかりやすく解説します。
陶磁器を高く売るために知っておきたい基本知識
陶磁器の価値を決める主な要素
陶磁器の価値は、見た目の美しさだけでなく、作家・産地・年代・状態・希少性といった複数の要素によって決まります。
特に有名作家の作品や、人気産地（有田焼、九谷焼、備前焼など）の陶磁器は、市場での評価が高く、高価買取につながりやすい傾向があります。
また、同じ作家の作品でも、初期作品や展覧会出品作などは希少性が高いため、一般作品よりも高値が付くことがあります。
有名作家・産地の代表例と高値がつきやすい
陶磁器の世界では、作家や産地の知名度がそのまま査定額に影響します。
たとえば、北大路魯山人、金重陶陽、藤原雄などの著名作家の作品は、美術的価値が高く、コレクターからの需要も強いため、数十万円単位の買取になることも珍しくありません。
また、伊万里焼・九谷焼・備前焼・志野焼など、日本各地の伝統産地の陶磁器も、技法や焼成の独自性が評価され、高値で取引される傾向があります。
共箱・証明書・状態の良し悪しが価格に与える影響
陶磁器を査定に出す際、共箱（作家名入りの木箱）や鑑定書、購入時の証明書があると、作品の真贋が確認できるため査定額が大きく上がります。
逆に、これらの付属品がない場合や、割れ・欠け・ヒビがある場合は、減額対象となることがあります。
ただし、貴重な作家作品や希少品の場合は、多少の欠けがあっても一定の価値がつくことがあります。
査定前に自分で修復を試みると価値を損なう可能性があるため、そのままの状態で査定に出すことが大切です。
陶磁器を高く売るための具体的な準備とコツ
査定前にやっておくべき清掃と保管のポイント
陶磁器の査定では、見た目の印象が想像以上に重要です。
長年飾っていたり収納していた陶磁器には、ほこりや茶渋、手あかが付着していることが多く、そのまま査定に出すと「状態が悪い」と判断されてしまう場合があります。
ただし、やみくもに磨いたり、洗剤で洗うのは避けましょう。絵付けや釉薬が傷むおそれがあります。
やわらかい布や羽根ばたきで軽くほこりを落とし、汚れが気になる部分は水を含ませた布でやさしく拭く程度に留めます。
また、査定当日までの保管にも注意が必要です。
直射日光を避け、温度変化の少ない場所に置くことで、ひび割れや変色を防げます。
セット品・付属品を揃えることで査定額を上げる
陶磁器の中でも、茶碗・湯呑・皿などのセット品は、一式揃っているかどうかで査定額が大きく変わります。
たとえば、五客セットのうち一つでも欠けていると、「不揃い品」として評価が下がることがあります。
査定に出す前に守りたい3つのポイント
- 共箱や仕切り箱に入っているか
- 付属の木札やしおりが残っているか
- 箱書きと作品が一致しているか
を確認しておくとよいでしょう。
揃っている状態で提示できれば、業者は再販しやすくなるため、査定額アップが期待できます。
複数業者への相見積もりで価格差を比較する
陶磁器の買取価格は、業者によって大きく異なります。
なぜなら、扱うジャンルや得意分野が違うからです。
美術陶磁器を専門に扱う業者と、リサイクルショップ型の買取店では、査定基準に数万円単位の差が出ることもあります。
そのため、最低でも2〜3社に査定を依頼し、比較することが重要です。
近年では、出張や宅配で手軽に査定してくれる業者も多く、写真を送るだけでおおよその金額を提示してもらえるサービスもあります。
時間をかけて比較することで、最も高く買い取ってくれる業者を見極められます。
売るタイミングを見極めるコツ（需要が高まる時期）
陶磁器の需要は、季節や市場動向によって変化します。
たとえば、茶道具や飾り皿は、茶会や展示会が多く開催される春・秋に需要が高まり、買取価格が上がる傾向があります。
また、作家の展覧会開催やメディア露出の直後も、ファンや収集家の注目が集まり、相場が上昇することがあります。
逆に、需要が落ち着く時期に急いで売ると、査定額が抑えられてしまう場合もあるため、動向を見て売却時期を決めることも賢い方法です。
信頼できる陶磁器買取業者を選ぶポイント
専門知識を持つ査定員がいるか確認する
陶磁器の査定は、単に古い器を見分けるだけではなく、作家・産地・技法・時代背景など、幅広い専門知識を必要とします。
そのため、信頼できる買取業者を選ぶ際は、美術・骨董の専門査定員が在籍しているかを確認することが大切です。
公式サイトに「陶磁器・茶道具専門の鑑定士が査定」などの記載がある業者は、
独自の販売ルートや市場データを持っているため、一般的なリサイクル店よりも高額査定が期待できます。
また、査定時に作品についての説明を丁寧にしてくれる業者は、知識と誠実さの両面で信頼に値します。
出張・宅配・店頭など買取方法の特徴と選び方
陶磁器の買取には主に「出張買取」「宅配買取」「店頭買取」の3種類があります。
それぞれに特徴があり、目的に応じて選ぶとスムーズです。
- 出張買取：自宅まで査定員が訪問し、その場で査定・現金買取を行う方式。
→ 大量の陶磁器や大型作品を持っている人におすすめ。 - 宅配買取：自分で梱包して業者に送る方式。
→ 忙しい人や、店舗が遠い場合に便利。送料無料の業者を選ぶと安心です。 - 店頭買取：直接店舗に持ち込む方式。
→ その場で査定結果を確認できるため、納得しやすいのが利点。
いずれの方法でも、査定料・出張料・キャンセル料が完全無料の業者を選ぶと、トラブルを防ぎやすくなります。
口コミや実績で信頼性を見極める方法
インターネット上には多くの買取業者がありますが、その中には専門性の低い業者も少なくありません。
信頼できる業者を見つけるには、口コミや実績の確認が欠かせません。
- 公式サイトで「買取実績」や「お客様の声」を掲載しているか
- GoogleやSNSで、実際の利用者の評価が高いか
- 美術商組合や古物商許可を取得しているか
これらを確認することで、誠実に対応してくれる業者を見極めることができます。
特に、陶磁器や骨董に特化した専門店は、再販ルートが確立されているため、査定額が安定して高い傾向にあります。
陶磁器の高価買取によくある質問
- 共箱や証明書がない陶磁器でも売れますか？
-
はい、売れます。ただし、査定額はやや下がる場合があります。
陶磁器の共箱（作家名入りの木箱）や証明書は、作品の真贋を証明する大切な要素です。
そのため、付属している場合は査定額が上がりますが、なくても価値が認められるケースは多くあります。特に、作家名や産地が明確な作品、美術的に評価の高いものは、共箱がなくても十分な価格がつくことがあります。
また、信頼できる業者であれば、専門の鑑定士が作品の特徴から真贋を見極めてくれます。 - ひびや欠けがある陶磁器にも価値はありますか？
-
あります。状態が悪くても、希少品であれば買取対象です。
陶磁器は繊細な品であるため、経年によるひびや欠けがある作品も少なくありません。
ただし、作家ものや希少な産地の作品であれば、欠損があっても一定の価値がつくことがあります。特に、修復可能な範囲の損傷であれば、再販ルートを持つ業者が高めに買い取ることもあります。
無理に修復しようとせず、そのままの状態で査定を依頼するのがポイントです。